グローブ作りの道具たち

Tools of glove making

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グローブ作りの道具たち

CACAZANは量産体制を整えた文字通りのファクトリーだとお伝えしましたが、ここでは、そのファクトリーに並ぶグローブ創りに必要な道具たちをご紹介したいと思います。

バンドマシーン

NIPPI NP120 

革を漉いて厚みを調整する一種のスライサーです。

グローブに用いる革の理想的な厚みは、用途により様々ですが、この機械を使って、素材と用途に合わせて理想的な厚さに調整します。

油圧クリッカー(裁断機)

トーコー TCM-500A

グローブ用に革から型抜きするための油圧クリッカー(裁断機)です。

地元の老舗メーカーであるトーコー製で、このメーカーとは昔からの付き合いがあります。

それでも、頑丈な裁断機はトラブルもなく壊れないので、ここ10年以上疎遠となっていました。ところが、先ごろ前に使っていたクリッカーの調子が悪くなり、その際に会長自らが来られて、昔うちの親父に世話になった事や、私が若い頃トーコーの従業員の方達に可愛がったもらった事など、懐かしい話で盛り上がり、この際だからと新調することにしました。ただモノを売り買いするだけではなく、そのモノを通じて人と人が繋がりあえる。きちんと心を込めて作られたモノは、そうした絆としての機能も持っているんです。それは、私のグローブ創りにも言えることで、グローブを創ることで、お客さんと繋がりができ、それが新たなモノづくりの力になっていくことが嬉しいんです。

抜き型

抜型工房かわさき http://www.nukigatakobo.com/

抜き型は、グローブのパーツを一枚革から取り出す際に使用します。この型がとても重要で、グローブのフィッティングの肝になる部分です。かつて、地元では長年の経験と勘を持った職人さんがこの抜き型を製作していましたが、製造の拠点が海外に移り、またCADデータから革を切り出すカッターなどが発達して衰退してしまいました。CACAZANでは、革の性質を考慮しながら、最良の部分からパーツを切り出すために、すべて抜き型を当てて、手作業で行います。

現在、CACAZANの抜き型は「抜き型工房かわさき」製のものを使用しています。社長のかわさき君は2代目で、仲のいい友だちですが、 彼も一時は疲弊していく業界の波にのまれ大変な時期もありました。しかし、うちに飛び込み営業に来て、彼の腕を認めてその型を採用した後、私のノウハウを教えてからは、クオリティの高い抜き型を求めていた全国のレザークラフトマンたちからオーダーを請けるようになりました。

ソーイングマシン

手袋職人の腕の真骨頂は縫製にあります。グローブは小さな製品でありながら、縫製するパーツが多く、しかも複雑なRを描いたり、縫い返しがあって、非常に熟練を要します。縫製のためのミシンも工程やパーツに応じて、専用のミシンを使い分けるために、ファクトリーには何台もミシンが並んでいます。国内生産が減る中、当然ミシン屋さんも仕事が無くなり廃業・倒産に追いやられています。うちのミシン屋さんも65歳で跡継ぎもいないので、今後の事を考えて入手できるミシンは取り押さえてもらっています。 

飾りミシン。かれこれ、50年は使っている一番古いミシンです。ゴム絞りや一本山ステッチなどを入れるときに使用しています。

コンピュータミシン。約20年使用しています。このミシンは、主にバイクグローブのゴム絞りを縫う際に使います。

一本針本縫いミシン(上下送り)DYシリーズ。メインで使っているミシンで、革手袋用にカスタマイズされています。現在、日本では生産されていないため入手困難になりました。

くり金

これは、仕上げ作業にとって欠かせない「くり金」という道具です。くり金も手袋の種類によりいろいろあるのですが、このくり金は立体の電熱式です。私の作るグローブは立体成形が多いので、この電熱式くり金を使って、微妙なサイズ調整や、自然な指の曲がり具合を表現していくのです。グローブ製作のみに使われるこうしたくり金は、地元東かがわ市の近藤製作所がオンリーワン企業でしたが、悲しいことに、その二代目が急逝されてしまい、存亡できない状態となってしまいました。