カカザンとは

ABOUT CACAZAN

ABOUT | フィロソフィー | 素材のこだわり | エポックメイク | ファクトリー | 道具たち | STAFF | SHOP

 

ABOUT CACAZAN

【手袋職人 出石尚仁】

CACAZANのある香川県さぬき市は、日本の手袋生産のシェアの90%以上を占める手袋の町でした。

出石手袋は、そのさぬき市中で中堅の手袋工場として操業を続けてきました。

出石尚仁は、途切れることのないミシンの音を子守唄代わりに育ちました。そして、ごく自然に、自分も手袋職人の道を選ぶことになりました。

1990年代後半から、モノづくりの主力が中国や東南アジアに移ると、メーカーの下請が中心だったさぬき市の手袋産業は斜陽を迎えます。それでも、高い技術力を持つ出石手袋には、注文が途切れませんでした。

しかし、出石は、そのまま請負やOEM生産を続けているかぎり、いずれクライアントは海外の低コストの方に流れ、先細りになることを見通していました。また、下請けの立場では、自分が磨いてきた技術を最大限に活かすこともてきず、歯がゆさも感じていました。

そして、出石は、オリジナルブランドの立ち上げという新しい分野への挑戦を決意します。

自分で納得のいく革を選び、さらになめしや厚みの調整なども吟味し、用途に合わせた部位を使い、そして長年培った縫製技術の粋を凝らして、あたかも第二の皮膚のように自然にフィットするグローブが完成しました。

出石が最初にチャレンジしたのは、モターサイクルグローブでした。しなやかな鹿革を使い、レバー操作の多いモーターサイクルライディングに合わせて、指の屈伸動作にストレスが少なく手の平側がシームレスで違和感のない、ガンカットというスタイルを採用。さらにハンドルを握る動作が自然な形の立体裁断で、他にはないライディングプレジャーを存分に味わえるようなグローブとなりました。

このモデルが今でも引き継がれている”TAKAモデル”です。CACAZANグローブすべての原点ともなったこのTAKAモデルの誕生には、ひとつのドラマがありました。

”CACAZAN”、それは、孫悟空が花果山の石から生まれ出たという西遊記の物語に由来する名です。CACAZANは、「石から出る」という出石の苗字に掛け、孫悟空のように広い世界で大活躍するというイメージに繋がります。

このブランド名も、じつはお客様から提案いただいたものでした。

やはり、ヤフオクでひっそりと自作グローブを販売していたときのこと。静岡のデザイン会社の社長さんが、工房にいらして、ひとしきりグローブ制作の話やブランドの話をしました。そのとき、この社長さんが、「出石手袋では、なんかもっちゃりしているなあ」と言うので、ブランディングをお願いしました。

そして、しばらくして提案いただいたのが、CACAZANというブランドネームと、今、シンボルとなっているロゴマークでした。これは、まさに出石にピッタリの名前で、尖ったロゴもいっぺんで気に入りました。

CACAZANの製品をご愛用いただき、さらには新しい製品やイメージアップの刺激をお客様さまからいただけるのは、職人冥利につきます。

オリジナルブランドを創ろうと決心したものの、まだそれが具体的なグローブの形にならず、試行錯誤していた時期がありました。そのとき、一応の形となっていたのは、ワークグローブで、出石はこれをヤフオクで試験販売していました。このグローブをネットで見つけてくれた、倉敷の高柳さんという方から、オートバイ用のグローブを作ってくれないかという問い合わせが入ったのです。

ハーレーに乗る高柳さんは、わざわざ工房までいらしてくださいました。そして、おもむろにグローブを取り出し、「これと同じスタイルで作ってほしい」と言われたのです。

そのグローブは、指先がすり減って穴が空き、グリップを握る掌も補強の当て革がなくなるほどすり減っていました。徹底的に使い込まれたその状態から、高柳さんがいかに愛着を持って使ってこられたかがヒシヒシと感じられました。

それは、高柳さんの友人がアメリカで買ってこられたもので、ハイウェイパトロールの白バイ警官が使っているのと同じでした。シンプルで無骨な作りですが、独特のパターンで、装着したときの違和感がとても少なく、これと同じグローブを作って欲しいという高柳さんの思いがよく理解できました。

このグローブを参考に、何度も試行錯誤を繰り返した後、日本人の手の大きさやスタイルに合わせてモディファイしたグローブが出来上がりました。「オリジナルより断然フィットして、使い心地も最高」と、グローブを高橋さんはとても気に入ってくだいました。このグローブの完成度に出石も自信を持ち、一般販売を開始しました。これが、CACAZANブランドの最初のヒット商品であり定番商品となったバイク用グローブだったのです。そして、このグローブは、高柳さんの熱い思いを形にしたことから、彼がバイク仲間に呼ばれているニックネームをいただいて”TAKAモデル”と命名されました。

出石は、若い頃から様々なスポーツにチャレンジしてきました。サッカー、ランニング、トレールランニング、サイクリング、シーカヤック、モーターサイクル……。そんな経験から、最高のコンディションでスポーツを楽しむためには、身に付けるウェアやギアが体の動きを的確にサポートし、プレイヤーを快適に保つものでなくてはいけないと痛感してきました。そんな多彩な出石の趣味もグローブ作りに存分に活かされています。また、それぞれのアクティビティの仲間からも刺激を受けながら、CACAZANの製品の充実につとめております。